「四谷怪談」と「四ツ谷雑談集」①

私はアップルの音声配信サービス「Podcast」が好きで家事をする時や筋トレをする時によく聴いています。最新の科学を紹介する番組や、殺人鬼を紹介する番組、何者なのかわからない知識豊富なおじさんたちが楽しくお喋りをする番組等テレビやラジオではなかなかお目にかかれないような番組も多く、楽しく聴いています。中でも「怪奇ラジオ」とういう番組が好きでよく聴いていました。この番組は古今東西の「怪奇」についてサブカルチャー的な視点や、学術的な視点から笑いを交えながら語るというもので、荒俣宏、澁澤龍彦、柳田邦夫や諸星大二郎なんかが好きな人はハマるのではないでしょうか。ただこの番組は数年前に終了してしまい、私は今は「Podcast」ではない音声配信サービスで有料版を購入し再度聴いています(そのくらい好きなのです)。

その番組の中で歌舞伎の「東海道四谷怪談」のあらすじや、演出について語るという回がありました。元々「東海道四谷怪談」というのは江戸時代に鶴屋南北という人が実際にあった事件をもとに書いた歌舞伎の演目だそうで、当時から忠臣蔵と並び大変な人気だったそうです。現代でも度々映画や舞台になっており、ほとんどの人は「四谷怪談」というタイトルだけは知っているのではないでしょうか。

さて、その「東海道四谷怪談」についての回を筋トレ中に聴いたのですが、登場人物が多く、話も複雑なためなかなか頭に入ってきませんでした。よくわからないまま流して聴いてしまうのももったいないため、何か本でも一冊読んで予習をしてから再度聴こうと思い、選んだのが京極夏彦の「嗤う伊右衛門」でした。少し読み進めてに気づいたのですが「東海道四谷怪談」とは登場人物の名前が共通しているだけで、その人物の役回りや、話の筋まで全く違うのです(ただこの小説は途轍もなくおもしろく、一気に読みました)。あとがきによるとこの「嗤う伊右衛門」はストーリー的には「東海道四谷怪談」よりも、その元ネタである実際にあった事件を描いた実録小説「四ツ谷雑談集」に大きく寄っているということでした。「嗤う伊右衛門」が途轍もなくおもしろかったので、「四ツ谷雑談集」も読んでみたくなり、現代語訳の「四ツ谷雑談集」を探しました。ありました。「実録四谷怪談―現代語訳『四ッ谷雑談集』 江戸怪談を読む」という本です。早速図書館で借りてきて読みました。

長くなってしまったので二回に分けます。

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